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2006年2月11日 (土)

額縁の女、マスクの男

電車に乗って立っていると
(毎回電車シリーズみたいだね)

隣には、グレーの長いコートを召したご婦人。頭には、帽子を被り、一見、オシャレっぽい
(おばさまのオシャレには疎い、わたくし)。

ふと、おばちゃんの胸元に目がいくと、そこには『小さく大層な額縁』が付いていた。

「オシャレ?」
「ブローチ代わり?」

本当に小さな大層な額縁。

額縁の中身が気になる。
僕の位置からは、中に何が入っているか見えなかった。

「何が入っているのだろう?ご主人の写真?いやいや、お孫さん、あるいは愛犬の写真?それを愛する私を見てって感じ~。はたまた、自分の写真が入っていて、自分の美貌をひけらかしているのかしら~。」

想像は膨らむ。

見たい。額縁の中身見たい。

場所は胸元。
変な人だと思われないように、中刷りを見るように体を少し移動する。

見えた!

!?

モナリザ?

「モナリザかよ!」

普通過ぎて、なんだかガッカリ。


入れ替わるように、今度はおじさんがやってくる。ジャケットの上に、シワが入ったグレーのコート。

顔を見るとマスクをしている。風邪をひいているのかな、思うのが先か気づくのが先か、何かおじさん、違和感がある。何かおかしい。

その違和感、2回目のチラ見でわかる。

『マスクの位置、高くねえ?』

マスクの上の位置が、眉間の部分にかかろうとしている。その位置じゃあ、視界にマスクが入ってきてうざったいだろうに。

たまたま上にマスクが上がってしまったのかと思いきや、おじさんは全く気にする気配はない。

想像する。

マスクはあの位置でしなさいと、おじさんの親から教育があったのだ。
「鼻が真ん中にくるようにしっかり隠しなさい。
鼻が命ですよ。
お父さんはそうしなかったために風邪をこじらしてしまったのだから。
マスクは鼻を防御。
覚えておきなさい。」

子から何を言われようとも
「お父さん、マスクの仕方、変」
「何を言っているんだ。これがお父さんのポリシィだ。
これだけは譲れん」
と、一家の大黒柱の地位を守るための、象徴かもしれない。



結局、何のことかわからないまま電車を降りることになりました。
はい。


普段からこんなことして空想してます、わたくしでした。

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