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2006年4月12日 (水)

隣のおばあちゃんとの共同生活 vol.5

冬のとある日、母親から電話がかかってきた。

「ねえ。おばあちゃん大丈夫」

電話の内容によると、

「おばあちゃんから前前家賃を振り込んでほしいと言われている」
とのことだった。

家賃は実家からおばあちゃんに振り込みをしている。




はて?

おばあちゃん、前前家賃が欲しいほど大変なのかしら?





直接行って確かめてみることにした。



「おばあちゃん、家賃のことで話があるのだけど」

「りょうちゃん、家賃が振り込まれてないのよ」

「へ?」

話が変わってきている。

「家賃が振り込まれてないのよ」

「ちょっと待って。母親から前前家賃がほしいとおばあちゃんが言っているって聞いたのだけど」

「言ってないよ」

「え?」

「言ってない」

「ちょっと待って。母親にもう一度確認するから。おばあちゃん家の電話を借りてもいい?」


もう、泣きそうである。
なにがなんだか。
おばあちゃんも何言っているかわからないし。



母親とおばあちゃんが、電話で話をしている。

結局、通帳に振り込んだという事実が残っていて、事なきを得た。




「はあ~」




一件落着。



そうとは言えなかった。

母親のその後の話だと、おばあちゃんからのお金に関する電話は最近何回かかかってきていて、何回かは前前家賃を振り込んだとのことだったのだ。

こりゃもう、駄目かも。

『おばあちゃんは、もうお金の計算ができなくなってきている』

のだ。


これでは、これからも
「家賃振り込んでいない」
「前前前家賃を振り込んでくれ」
ということになりかねない。


引っ越すか。


おばあちゃん、可哀想だけど。


アパートの6人の大学生は、みんないなくなってしまった。
残っているのは、一軒家の母屋に住むおばあちゃんと離れに住む僕だけ。
みんな、早く察して出て行ったのか。
僕が気づくのが遅かったのか。


遠い親戚だけど、お金のことは困るよなあ。






その日から少しして、おばあちゃんに

「引っ越すことにしました」

と、告げた。







あれから二月たった、ある日。

おばあちゃんから、引っ越した僕の部屋に電話があった。

「りょうちゃん、元気?」

僕の引越しのタイミングで、人に部屋を貸すのを辞めたらしい。



僕は久しぶりにおばあちゃんの家に行くことにした。

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