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2006年8月30日 (水)

聞くのもコメントするのも余計なお世話なことだが

友人ととあるカフェに入る。
夕方近かったからか、かなりのお客さんが来ていて席は限られていた。
座る席を決め、コーヒーを頼んで席につく。

席の左隣には若い女性が一人で座っていて、右隣には若い男性、女性、年配の女性の3人が座っていた。
と、席につくなり、右隣のテーブルから負のオーラを大いに漂わせたセリフが飛んでくる。



「もう大きくなっているんだから、産むんだから」
この一言で、このテーブルで何が行なわれているのか、どういう関係の3人なのか見事にわかってしまった。
若い男性と女性は付き合っていて子どもができてしまった。それを女性の母親に報告する。この図式、この関係。

「ここでか」
このカフェでは不釣合いな重い話に、友人と僕はしりごみした。
ただ、この話を聞いていると思われたくないので、無理にでも自分らの話を広げた。
「ここのコーヒー旨くない?」
話をしつつも、隣の会話は気になり耳を立てる。



母親・・・

話を聞いているに(聞いていないように務めながら)、母親はなんとか理解に務めようとしているようだった。しかし、言葉ではそういいながらも、言葉に思いが入らない。力強さがない。心はうらはらで、言葉は中を彷徨っているようだった。

「今度は焼肉かすき焼きがいいわね」
娘の相手に、言葉では笑いながらそう言う。
男はそれを察したのか答えることができないまま、娘に話を取って代えられてしまった。



男・・・

彼は僕らがいる間はほとんど声を発しなかった。
緊張していたからなのか、それとも彼女が全部話してしまうからなのか。
理由は両方だと思われる。
母親が男に質問したことも、全て彼女が答えてしまう。
余計な事を喋らせないようにするためなのか、自分を守りたい、自分らを守りたいからなのか、懸命に自分ひとりで防御を張る。
男は、ただ黙して語らず。
彼女や母親の話をぎこちない笑みで答えるだけであった。



彼女・・・

彼女が母親をここに呼び出したのであろう。
厳格な父親に言う前に、まずは母親に。
「お父さんに言ったら、あなた何されるかわからないわよ」
母親がそう言う。
「産む時は彼には一緒にいてもらうから。見て倒れるなら倒れればいい」
彼はその言葉にも、何も口を挟まなかった。
彼女は鼻息を荒げながら、その後も言葉を続けた。



3人はあらかた話し終えたからか、店を後にした。
僕らは自分らの話をその後しげく交わした。




男、女、母親・・・

男、女と母親の関係より、男と女の関係が気になった。
今日の様子では、あまりにも男は頼りなく、女は強すぎる。

余計なお世話だが「幸せであってくれればいいな」とコーヒーを飲みながら願う、
陽が暮れたカフェだった。

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コメント

本当に、幸せであってくれればいいですね…。

「今日の様子では、あまりにも男は頼りなく、
女は強すぎる」

なんだかすごく切ないです。

投稿: miki | 2006年8月30日 (水) 02時25分

防御っていうのもあるだろうけど、親子の壮絶な
会話に割ってはいるほどの気構えは持てないでいる
というか、彼女が母親に言いたいのと同じレベル
の覚悟がないというか、なりふり構わず母親を説き
伏せたくなるほどには彼女のこと好きじゃないみたいな
感じではないかなぁ。

投稿: J | 2006年8月30日 (水) 04時34分

どうか、おなかの中の新しい命が
望まれて愛されて生まれてきますように…

投稿: riri | 2006年8月30日 (水) 06時12分

女性は母性が子がいるとわかった時点で
母への道を歩んでいるんですが
父性というのは子供が生まれて一緒に育つんだそうです

女性は母としておなかの子を守りたい
そのためには自分の親とも戦うんでしょう
彼は・・・まだ実感もなく
大きな責任のまえにたちすくんでいるのかな?
どっちかというと、失敗した感のままなのかもねえ


女性は強いなぁ(他人事みたいにいいますが・・・

投稿: にゃんたん | 2006年8月31日 (木) 00時18分

>mikiさん

今日の様子だけしか見ていないので、一概に言えないとは思いますが、ああいう場だからこそ、頑張ってほしいななんて思いました。

彼女を守ってほしいですよね。大変な時ですから。

投稿: りょーちん | 2006年8月31日 (木) 01時26分

>Jさん

そうですね。
相手のことを考えてあげたら、ここは気概を見せるとこですよね。俺が父親としてこの子と母親を守るという。

彼女とその母親の成り行きを見守るような位置でいるのは、いけないですね。おしつけちゃっているような気がしました。

彼女のこと、そんなに好きではないのだとしたら、悲しいですね。

投稿: りょーちん | 2006年8月31日 (木) 01時31分

>ririさん

ほんとですね。
望まれて生まれてきてほしいものです。

それには、彼女と彼、二人でしっかり向かいあっていくことですね。

投稿: りょーちん | 2006年8月31日 (木) 01時33分

>にゃんたんさん

確かに、彼にはまだ実感がないのかもしれません。
連れてこられた感が強かったのでしょう。

彼女は母としてこの子を産みたい、守りたいという意識があったのでしょうね。

今は頼りなくても、この事実を受け止め、前を向いていってほしいなと思います。

投稿: りょーちん | 2006年8月31日 (木) 01時36分

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